コラム

アトピー性皮膚炎治療薬のデュピクセントその④

あまり上手ではない説明に最終回までお付き合いいただきましてありがとうございます。

最終回の、アトピー性皮膚炎治療薬のデュピクセント®その④です。

《実際の投与方法や治療費用について》

投与間隔:2週間に1回ご自宅で注射か、病院やクリニックで注射していただきます。

※自宅での注射は初回と2回目の2回程度、病院で医師と練習したのちに可能となります。

 

治療費用:

①初回2本、2回目1本の費用(薬剤費のみの目安になります)

 

②-1 3回目以降―自己注射する場合

ほとんどの方に高額療養費制度※①のご利用をお勧めしています。また、患者様によっては付加給付制度(健康保険組合等の独自制度)※②により、さらに自己負担上限額がさらに低く設定されている場合があります。

 

※①高額療養費制度の仕組み

1ヵ月(その月の1日~末日)の間に医療機関の窓口で支払うべき額(自己負担額)が、一定の金額を超えることになった場合、自己負担額を一定額(自己負担上限額)にまでおさえることができる制度です。詳しくは加入している保険者などにご確認ください。

>> 高額療養費シュミレーションはこちら

 

※②付加給付制度(健康保険組合等の独自制度)

高額療養費制度は国が定める制度ですが、ご加入の医療保険(保険者)によっては、独自の「付加給付」として、国が定めるよりも手厚い医療費助成を行っており、自己負担上限額がさらに低く設定されている場合があります。
すべての保険者で実施されているわけではありませんので、詳しくはご加入の保険者(健康保険組合等)にご確認ください。

お問い合わせ先:健康保険証に記載されている保険者(健康保険組合等)

 

3回目の以降の注射に関しては「ご自宅にてご自身で注射」が可能なため、3か月分のデュピクセント®にあたる最大6本までを処方することが可能です。

その場合おおよそ3か月に1回、自己負担額がかかりますので、月々に平均すると、おおよそ自己負担額÷3=ひと月あたりの費用、となります。

ですが、デュピクセント®治療開始から間もない1回目、2回目の長期処方の際は、副作用や症状の確認、外用薬等の追加処方が必要ですので、合間に診察にご来院いただいております。再診料や薬剤費がかかります。

 

治療費用についてはHPでもご案内がありますので、併せて参考にされてください。

>> デュピクセントを使用される患者様へ

 >>高額療養費制度を利用したデュピクセントの自己負担額

 

②-2 3回目以降―医師が注射する場合

患者様の中には、ご自身での注射が難しい方もいらっしゃいます。当院ではそういった患者様の場合は、およそ2週間に1回通院していただき、医師が注射することも可能です。費用は毎回おおよそ1本分の薬剤費がかかります。

 

【当院では】

デュピクセント®の治療の患者様は、お一人お一人に薬剤を取り寄せております関係で、ご予約制で通院していただいております

重症のアトピー性皮膚炎のご相談やデュピクセント®のご相談の患者様は、副院長担当の皮膚科外来にてご相談ください。

 

以下、最近のデュピクセント®(デュピルマブ)の論文内容を一部紹介いたします、当院での治療経験ともほぼ同じような報告となっています。

☆帝京大学医学部附属病院皮膚科 内田秀昭先生の論文Br J Dermatol.11月号(2019年)掲載の論文邦文サマリーを抜粋

臨床試験において、デュピルマブ投与によると考えられる結膜炎の発症率は8.6~21.44%と報告されているが、本研究では22例中8例(36.4%)に結膜炎がみられた。そのうち3名は結膜炎の既往があった。結膜炎はいずれもデュピルマブ投与後2から6週間後に発症しており、抗ヒスタミン薬点眼およびステロイド点眼にて治療可能であった。1名は結膜炎が半年以上持続していたが、結膜炎や他の副作用によりデュピルマブ投与を中止した症例はなかった。注射部位反応は1例にみられ、1例はデュピルマブ投与後に既存の円形脱毛症が改善した。
臨床試験と同様、デュピルマブは実臨床においても高い効果と安全性を示した。デュピルマブはアトピー性皮膚炎に対して承認された初の生物学的製剤であり、今後さらなる観察の継続と症例の蓄積が必要であると考えられた。

Real-world effectiveness and safety of dupilumab for the treatment of atopic dermatitis in Japanese patients: A single-centre retrospective study.
H. Uchida, M. Kamata, I. Mizukawa, A. Watanabe, A. Agematsu, M. Nagata, S. Fukaya, K. Hayashi, A. Fukuyasu, T. Tanaka, T. Ishikawa, T. Ohnishi, Y. Tada.
Br J Dermatol. 2019 Nov181(5):1083-1085.

 

今後も、アトピー性皮膚炎やデユピクセント®の新しい知見をコラムにてとりあげていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします

 

【関連コラム】

アトピー性皮膚炎治療薬のデュピクセント その①

アトピー性皮膚炎治療薬のデュピクセント その②

アトピー性皮膚炎治療薬のデュピクセント その③

アトピー性皮膚炎治療のあれこれ

アトピー性皮膚炎の新しい外用薬、JAK阻害剤『コレクチム®軟膏』

 

キーワード:アトピー性皮膚炎の新薬、デュピクセント、投与間隔、自己注射、高額療養費制度、自己負担上限額、付加給付制度、健康保険組合、清村咲子

 

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