コラム

アトピー性皮膚炎治療薬のデュピクセント その①

今回は、発売から2年となり、アトピー性皮膚炎の治療薬で初の生物製剤(バイオ製剤)であるデュピクセント®についてです。この治療薬の登場で、アトピーの治療は新しい局面に入った、といってもいいのではないかと思います。デユピクセント®の登場から2年たち、さまざまなことが分かってきました。

一方で、さまざまな理由で導入できない患者さんも沢山いますので、これまで通りの治療の工夫、指導はやはりとても大切で、手を抜いてはなりません。

最近は患者さんからもご質問が多いお薬である一方、長年アトピーで通院されていてもあまり知られていないこともあります、外来でもご不明な点は是非ご相談くださいね。

現在(2020年5月現在)、当院での導入事例は20例、獨協埼玉医療センターでの導入事例は40例程となっております。

生物製剤(バイオ製剤):化学的に合成した医薬品ではなく、生物が合成する物質(たんぱく質)を応用して作られた治療薬の総称です。これまでの研究ではアトピー性皮膚炎では特定の「サイトカイン」という免疫に関わる物質が通常よりも増えて、皮ふに炎症を起こしていることが分かっています。そこでバイオテクノロジーの進歩により、サイトカイン自体やサイトカインを生産する細胞の働きを抑える医薬品が開発されました。それが「生物学的製剤(生物製剤)」です。

 

《どんなアトピーの患者さんに適応となるのか》

デュピクセント®は15歳以上の中等度以上のアトピー性皮膚炎に適応があります。同じアレルギー疾患である、気管支喘息や慢性副鼻腔炎への有効性も確認され、新しく承認されています。

中等症、、これだけでは、自分自身は軽症なのか❔中等症なのか❔一体どんな患者さんによい適応となるの❔となりますね。実際の導入事例で多いケースは下の図のように、『さまざまな理由で重症であり、あれこれ工夫しても治しにくいグループ』と、『ステロイドを適切に外用していれば比較的おさまってはいるが定期的に通院している(※)中等症のグループ』です。

6か月は標準的なステロイド外用やかゆみ止めの抗ヒスタミン剤内服等の治療をしていることが必要条件としてあげられています

アトピー性皮膚炎病診連携講演会、清村講演スライドを改変

 

POINTデユピクセント®を導入しても、ステロイドの外用は併用が必要ですが、症状の改善とともに、ほぼ全例でステロイド外用薬の減量やステロイド外用薬のランクを下げることができます。

POINT:そして最も重要なポイントはこれまで重症な患者さんの最後の切り札であったシクロスポリン(ネオーラル®)でもコントロールが難しい患者さんにも十分期待できる薬であることです。

※POINTに関しましては、これまでの使用経験及び他施設での報告にもとづいた意見です。

 

 

2月に昨年に引き続き地域のアトピー性皮膚炎の講演会で、獨協埼玉医療センターのアトピー外来、当院皮膚科外来でのアトピー患者さんの取り組みやデユピクセント®の長期的な治療効果のデータをまとめて報告してまいりました。

昨年は発売して間もなかったので、『新薬デユピクセント®の効果はどうなのか❔』というテーマでしたが、

今年は、『重症、難治性のアトピー性皮膚炎の患者さんを地域で連携して治していきましょう❕』と言うテーマでした。

当院のHPでも地域の皮膚科クリニックと連携をとるための連携シートを導入しております。

>> 詳しくはこちら

.特別講演では長崎大学の室田先生の『汗とアトピー』に関するご講演(タイトルにはないですが室田先生のご専門の分野です)でした。汗はアトピーに悪なのか善なのか、、、大変興味深く、日常診療に役立つものでした。

発売元であるサノフィさんのHPでもすこし難しいですが、患者さん向けのデュピクセント®の情報が提供されています。

>> 詳しくはこちら

 

【関連コラム】

アトピー性皮膚炎治療薬のデュピクセント その②

アトピー性皮膚炎治療薬のデュピクセント その③

アトピー性皮膚炎治療薬のデュピクセントその④

アトピー性皮膚炎治療のあれこれ

アトピー性皮膚炎の新しい外用薬、JAK阻害剤『コレクチム®軟膏』

 

キーワード:アトピー性皮膚炎、デュピクセント、生物製剤、バイオ製剤、シクロスポリン、ステロイド外用、アトピー外来、地域連携、汗とアトピー

 

 

 

カテゴリー

最近の投稿

月別アーカイブ