その他よくある皮膚疾患

その他よくある皮膚疾患Other skin disease

尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)

  • 担当医清村咲子医師のみです。担当医表をご確認ください。

尋常性乾癬は皮膚が赤くなる「紅斑(こうはん)」、皮膚がもり上がる「浸潤・肥厚(しんじゅん・ひこう)」、その表面を覆う銀白色の細かいかさぶた「鱗屑(りんせつ)」、それがフケのようにボロボロはがれ落ちる「落屑(らくせつ)」が起こります。慢性的に経過し、広範囲の外用療法や整容面から患者様のQOLを著しく障害します。
また、乾癬は5つの病型に分類され、そのほとんどが尋常性乾癬ですが、正しく診断し、重症度に応じて適切な治療を提案することが大切です。

外用(ビタミンD3、ステロイド)
ステロイド、ビタミンD3外用剤、ステロイドとビタミンD3合剤を使用します。
光線療法(ナローバンドUVB)

光線療法

ナローバンドUVBによる特定領域の波長の紫外線は、乾癬に効果があることがわかっています。週1~2回で照射して症状を改善させ、2~3週間に1回照射して維持療法を行います。

内服-1(シクロスポリン、チガソン)
シクロスポリンとチガソン®(レチノイド)の2つが保険適応です。難治性の患者様に使用します。
治療効果は高いのですが、それぞれ副作用があります。他の治療法とローテーションを組んだり、少ない量で治療して副作用がでないように工夫をしています。またレチノイドは、光線療法との併用も有効です。
内服-2(オテズラ®
2017年3月に発売された経口PDE4阻害剤です。中等症から重症の患者様に使用します。効果は生物学的製剤には劣りますが、価格と安全性という点で海外では人気が高い薬剤です。
生物学的製剤

これまでの治療で効果がみられない中等度以上の患者様には、生物学的製剤を検討します。現在、尋常性乾癬には生物学的製剤(レミケード®、ヒュミラ®、ステラーラ®、コセンティクス®、トルツ®、ルミセフ®、トレムフィア®、スキリージ®、シムジア®)の9種類の生物製剤があります。いずれも病変部位に大量に出ている炎症にかかわる物質を抑制する働きがあり、関節症状の有無などの臨床症状、患者様のライフスタイルに合わせて薬剤の選択をします。当院では獨協医科大学埼玉医療センターや他施設で導入済みで症状が安定した患者様のみ受け入れを行っています。当院でコントロールが悪くお困りの患者様も、当院から獨協へご紹介し、導入後は当院で継続治療することができます。

※現在、レミケード®、トレムフィア®投与中の患者様は受け入れておりません。ステラーラ®スキリージ®は申請中です。

  • 利点非常に高い効果。従来の治療で効果がないケースでも劇的に改善する可能性がある。通院頻度が少なくて済む(症状が落ち着いた場合には3ヵ月に1回の受診)。
  • 欠点治療費が高い。(*)

*ほぼ全員の方が高額医療費の申請をしていただく必要があります。収入等によってひと月の自己負担額が異なります。目安としては3ヵ月に1回、自己負担額が治療費としてかかります。

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)

  • 担当医清村咲子医師のみです。担当医表をご確認ください。

扁桃炎や歯性病巣などの病巣、喫煙、金属アレルギーが原因の一つと言われています。疾患の特徴や病態から尋常性乾癬とほぼ同様の治療方針を立てていくことになります。
2018年11月に掌蹠膿疱症の治療薬としては初の生物学的製剤トレムフィア皮下注®(グセルクマブ)が、「既存治療で効果不十分な掌蹠膿疱症」に対して承認されました。ご希望の患者様は地域の基幹病院へご紹介します、ご相談ください。

酒さ・酒さ様皮膚炎

酒さの症状としては顔の赤み、発疹、ピリピリとした刺激のほか、重症になると鼻がみかん状に肥大したり、眼の痛みなどを伴ったりすることもあります。
また、酒さ様皮膚炎は顔面にステロイド外用薬などを長期間使用することで、毛細血管拡張や赤いブツブツとした発疹が生じたものです。いずれも日用品等の接触性皮膚炎やホルモンバランスの乱れ、ストレス、紫外線が発症因子や悪化因子になります。保険適応外ではありますが、光治療により拡張した血管をターゲットとした治療は効果的です。

尋常性白斑(じんじょうせいはくはん)

  • 担当医清村咲子医師、片桐一元教授のみです。担当医表をご確認ください。
01.外用(ビタミンD3、ステロイド)
多くはこれのみでは治療効果は乏しく、②以下の治療を平行して行います。
02.光線療法(ナローバンドUVB)
症状が全身に及ぶ場合は全身型のナローバンドUVBを、顔面や小範囲の場合はターゲット型ナローバンドUVBの照射が一定の治療効果を上げています。
03.ミニ植皮
白斑は整容面でのQOLが非常に妨げられます。特に、頭頸部の白斑でミニ植皮をご希望の方は獨協埼玉医療センターにご紹介いたします。

円形脱毛症

  • 担当医清村咲子医師、片桐一元教授のみです。担当医表をご確認ください。

当院では日本皮膚科学会公表の円形脱毛症ガイドライン2017に沿った以下の標準的治療を行っております。

  • 内服(セファランチン®、抗ヒスタミン剤など)、外用(塩酸カプロニウム、ステロイド)、ステロイド局注
  • 液体窒素療法
  • 局所免疫療法:保険適応外ではありますが、ガイドラインでは推奨度Bであり、多発型・蛇行型の難治性円形脱毛症に最も効果があります。
  • ステロイドパルス療法:急速進行する重症脱毛症には、セミパルス療法が有効な場合があります。パルス療法の適応と判断した場合には、地域の基幹病院へご紹介いたします。
  • 紫外線(ナローバンドUVB)療法

尋常性ざ瘡(にきび)

尋常性ざ瘡(にきび)とは、思春期以降に発症し、顔面、胸背部の毛包・脂腺系を場とする脂質代謝異常(内分泌的因子)、角化異常、細菌の増殖が複雑に関与する慢性炎症性疾患です。当院ではスキンケアを含めた指導、にきび跡のケアまでトータルで治療をご提案いたします。

正確な診断と治療方針の決定

ニキビには、軽症から最重症まで、また類似疾患も多く、正確な診断が必要です。

服薬と外用指導・スキンケア指導

薬の効果は、適切な外用方法や服薬が非常に大切です。当院では詳細な問診を徹底し、洗顔や化粧品の選択等のスキンケア指導を行います。特にざ瘡外用剤の使用方法は、正確な使用をしなければ副作用のみ目立ち、効果が乏しいという結果になりがちです。

ガイドラインに沿った治療

ガイドライン(下図)に沿った標準的治療を行います。外用薬が治療の中心ですが、炎症期には抗生物質などの内服薬の併用をします。

ガイドライン
尋常性ざ瘡ガイドライン2017より抜粋
アダパレン製剤の治療
アダパレン製剤であるディフェリンゲル®は、ガイドライン推奨度Aの治療薬です。非常に効果が高い分、刺激感や乾燥という副作用もあり使用法が難しい薬です。一度使用して断念した方も多いと思いますが、使用法を工夫するとほとんど副作用がありません。
過酸化ベンゾイルの治療
過酸化ベンゾイルは現在、ベピオゲル®とデュアック配合ゲル®の2種類があります。ざ瘡(にきび)の原因菌の増殖を阻害します。また角質細胞の結合をゆるめ毛穴の閉塞を改善させます。その結果、炎症性皮疹(赤いにきび)、非炎症性皮疹(白にきび、黒にきび)が減少します。
アダパレン/過酸化ベンゾイル配合剤の治療
2017年に発売されたのが、前述の過酸化ベンゾイル製剤とアダパレン製剤の合剤エピデュオゲル®です。現在使用できる外用剤の中では最も強力な薬剤です。重症や難治性のざ瘡を対象としています。また、萎縮性ざ瘡瘢痕(にきび跡)予防効果が唯一証明されている薬剤です。

にきび・にきび跡の光治療(血管モード)

  • 担当医清村咲子医師のみです。担当医表をご確認ください。

ガデリウス社 光治療器 ノーリス

保険適応外とはなりますが、にきびを栄養とする血管や炎症後の拡張した血管を焼灼し、肌の新陳代謝を高める効果があるため、保険治療とのコンビネーション治療により、にきび跡まで最短で治療することが可能です。また保険治療に継続して通院してくださっている患者様には通常価格よりお安く光治療を受けられるようポイントカードを使用しています。詳しくは外来にてご相談ください。

ポイントカード

尋常性疣贅(ウィルス性イボ)

ウィルス性疣贅は、ヒト乳頭腫ウィルスによる感染症です。放置すると多発したり、他人に移す可能性があります。当院ではしっかりと角質を削って除去してから液体窒素療法を行うことで患者様の治療回数を短縮できるように工夫しています。難治な場合や液体窒素の痛みに耐えられない患者様にはその他の治療をご提案しています。

また保険適応外ではありますが、標準的な治療で難治の場合に局所免疫療法を採用しています。液体窒素と比較して痛みがないというメリットがあります。難治性、多発する尋常性疣贅の方は一度ご相談ください。

粉瘤(ふんりゅう)・皮膚腫瘍(しこり・できもの)

粉瘤が赤く炎症を起こしているものに関しましては切開して洗浄、抗生物質や消炎鎮痛剤の対症療法を優先します。切開した場合は1週間程度処置に通院していただく必要があります。
その他、小さいできものなら日帰り、頭頸部や大きいできものは入院の上、手術の予定を立てます。ものにより、外科で対応する場合、事前にMRIなどの画像検査が必要な場合もありますのでご了承ください。また、悪性が疑われる場合は予想される悪性度により当院で皮膚生検する場合と、地域の基幹病院へご紹介する場合とがあります。