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かゆみのある皮膚疾患

かゆみのある皮膚疾患Skin disease with the itch

接触皮膚炎(かぶれ)

いわゆる「かぶれ」で、外的な物質の刺激で生じる「刺激性皮膚炎」とアレルギーの機序で生じる「アレルギー性接触皮膚炎」に分けられます。接触した皮膚に発赤やかゆみ、水疱などの炎症を生じます。原因として、植物、金属、薬品、毛染め、香料、防腐剤、ラテックス(ゴムの原料)などがあります。
原因検索は症状改善の近道であり、当科では積極的にアレルギーの検査を行うようにしています。検査内容は日用品のパッチテスト、パッチテストパネル、金属パッチテストがあります。

進行性指掌角皮症(手荒れ)

進行性指掌角皮症いわゆる手あれは、特に主婦、美容師、飲食店員、銀行員などによくみられる病気です。
水仕事をよくしたり、紙幣をよく扱ったりするために、繰り返し指先に刺激が加わって起こるものと考えられています。当科では治療と併行して日常生活からパッチテストなどの悪化因子の検索も積極的に行います。また手袋での外的刺激からの防御は非常に大切です。当科では顆粒促進剤フリーの手袋の使用をおすすめしています。

汗疱状湿疹(かんぽうじょうしっしん)

汗疱(かんぽう)は、文字通り「汗」によって作られた水疱になります。1~2mmほどの小さな水泡が手のひら、足の裏、手足の指にたくさんできてしまいます。そのため、通常であれば汗は皮膚表面に分泌され、そのまま蒸発していくはずです。しかし何らかの原因で表皮の中に汗が分泌され、周囲に炎症を引き起こしてしまい発症します。

汗疱・異汗性湿疹を引き起こす誘因として、アトピー性皮膚炎金属アレルギー、喫煙、慢性感染(副鼻腔炎や扁桃炎)などが報告されています。

結節性痒疹(けっせつせいようしん)・多型慢性痒疹(たけいまんせいようしん)

汗疱状疹

結節性痒疹及び多型慢性痒疹は慢性湿疹の一つです。その中でも多型慢性痒疹は腎不全、肝障害、悪性腫瘍など種々の基礎疾患を背景として発症することが多いと考えられていますが大多数が原因不明です。また診断自体が難しく、治癒せずに経過を見ていると、皮疹が悪化しその痒みは患者様にとって大きな苦痛となり、日常生活にも支障をきたすようになります。当院ではステロイド外用を中心としたさまざまなコンビネーション治療を行っています。なかなか治らない痒い湿疹でお悩みの患者様は一度ご相談ください。

※写真提供 獨協埼玉医療センターより 典型的な多型慢性痒疹:多くは50歳以上で、痒みが非常に強く赤くてぼこぼこした湿疹が腰背部中心にできる

蕁麻疹(じんましん)

多くは急性蕁麻疹であり、抗ヒスタミン剤の投与で短期的に治癒する場合が多いですが、6週間以上蕁麻疹が続く場合は慢性蕁麻疹と診断します。慢性・急性を問わず、治療の第一選択は「抗ヒスタミン薬」になります。しかし、抗ヒスタミン薬だけでは症状が抑えられない場合もあり、その場合は抗ヒスタミン薬を増量したり、他の補助的な薬を追加します。慢性蕁麻疹は、夕方から夜にかけて症状が出やすく、かゆみが強い場合は眠れないなどの生活にも支障をきたす場合があります。

これまで、抗ヒスタミン薬と補助的な薬を多剤併用しても症状が治まらないような重症な蕁麻疹に対する治療は、あまり選択肢がありませんでしたが2017年3月にゾレア®が承認されました。

蕁麻疹治療
蕁麻疹治療ガイドライン2018より抜粋

ゾレア®(オマリズマブ)について

担当医 清村咲子医師、片桐一元医師のみです。担当医表をご確認ください。
対象 12歳以上の難治性の慢性蕁麻疹の患者様
作用機序 蕁麻疹では、IgE抗体のCε3がマスト細胞上にある高親和性受容体(FcεRⅠ)に結合し、そこに抗原が架橋結合して炎症性メディエーターが放出されます。ゾレア®は遊離IgE抗体のCε3に結合し、IgE抗体とFcεRⅠの結合を阻害します。
当院でゾレアを受けられない患者様 重症の喘息の方、ゾレアに対して過敏症の方、妊娠中の方
費用 約19,250円(3割負担)
※1回につき、薬剤費のみ
投与間隔と治療効果判定期間 月1回皮下注射、3ヵ月(3回)継続して効果判定をします
自己注射に
ついて
ゾレア®は2回の自己注射指導を外来でお受けいただいた場合、ご自宅で自己注射していただけます。ご希望の患者様はご相談ください。
投与後の注意 初回投与日は副作用の確認のために院内に1時間待機していただきます